【#37】年末の「ちょっとお話が…」におびえる管理職。部下の退職リスクと、自分の「市場価値」を天秤にかけた日。

管理職の仕事論

年末、「部長、ちょっとお話が…」と部下に呼び出された時の心拍数は異常だ。退職か?異動か?エース部下の呼び出しに怯える45歳管理職の悲哀と、自身の精神安定のために行った「市場価値診断」について。

📝 はじめに

あなぶ部長
あなぶ部長

「き、来た……Slackの『話があります』通知……」

エース社員佐藤
エース社員佐藤

お疲れ様です。部長、今日少しお時間よろしいでしょうか。ご相談がありまして

年末。この時期。そして「ご相談」。
管理職の皆さまなら、この瞬間に心拍数がApple Watchの警告レベルまで跳ね上がるのが分かるはずです。

このパターンの9割は「退職願」「異動願」
残りの1割は「結婚」か「不祥事の報告」です。

今回は、部下のたった一行のチャットに振り回される中間管理職の悲哀と、心の平穏を取り戻すために私が取った「防衛策」についてお話しします。

会議室という名の「取調室」

指定された会議室で彼を待つ数分間、私の脳内では最悪のシミュレーションが走っていました。

  • 佐藤君が辞める
  • 進行中のプロジェクトAが炎上する
  • クライアントが激怒する
  • 私が謝罪行脚に出る
  • 代わりの人員が来ないので、私が実務をやる
  • 副業と資産形成の時間が消滅し、FIRE計画が崩壊する
あなぶ部長
あなぶ部長

「詰んだ……神様、仏様、佐藤様……辞めないでくれ……」

ドアがノックされ、神妙な顔つきの佐藤君が入ってきました。

「実は、部長…」

「(ゴクリ)…うん」

「来年、子供が生まれるので、育休の取得時期についてご相談したくて」

あなぶ部長
あなぶ部長

「!!!(脳内ファンファーレ)」

「おめでとう!! もちろんOKだ!! 全力でサポートするよ!!」

安堵のあまり、必要以上に彼の手を握りしめてしまいました。
辞めない。彼は辞めない。私のFIRE計画は守られた。
(育休中の業務調整? そんなの退職に比べればカスり傷です)

管理職の「非対称性」とメンタル防衛

席に戻った私は、どっと疲れが出ました。

部下は自由です。会社が嫌なら辞めればいいし、キャリアアップのために転職もできる。
しかし、私はどうでしょう。

  • 50億円の予算責任
  • 住宅ローン
  • 妻(家庭内CEO)の冷ややかな視線
  • 老眼と腰痛

簡単には動けません。この「自由度の差」が、管理職のストレスの源泉です。
「部下に辞められたら困る」という恐怖に、常に怯えているのです。

自分の「値段」を知る精神安定剤

この恐怖を打ち消すために、私は久しぶりにブラウザのシークレットモードを開きました。
そして、登録だけして放置していた「転職サイト」にログインしました。

別に、今すぐ転職する気はありません。
でも、自分の職務経歴書に対して、世の中がどれくらいの「オファー金額」を出してくれるのか。
それを確認したいのです。

「現在の推定オファー年収:維持〜微増」

あなぶ部長
あなぶ部長

「よかった……。まだ、外の世界でも生きていける」

劇的な年収アップはありませんでしたが、「今の会社にしがみつかなくても、最悪なんとかなる」という事実。
これを確認するだけで、不思議と呼吸が深くなります。

管理職こそ、転職サイトを「読む精神安定剤」として使うべきです。
会社という閉鎖空間にいると、「ここが全て」だと思い込んでしまいますから。

さて、佐藤君の育休祝い、何にしようかな。
機嫌よくAmazonを眺める部長なのでした。

▼「自分の値段」を知れば、会社への恐怖は消える

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