【#02】ワンルームマンション投資の失敗談|営業マンに乗せられた40代の末路

資産形成

こんにちは、あなぶです。 45歳から「50歳サイドFIRE」を目指し、日々奮闘しています。

前回の「はじめまして」の記事でも少し触れましたが、僕は過去に投資で大きな失敗をしています。

それは、多くのサラリーマンが一度は耳にするであろう、 「ワンルームマンション投資」です。

これは、僕がまだ37歳だった頃、信頼していた上司の言葉をきっかけに始まり、現実から目をそむけ続けた5年間の記録です。

これから資産形成を始めようとするあなたが、僕と同じ轍(てつ)を踏まないために、その生々しい数字と失敗の全貌を、包み隠さず告白します。

キッカケは「信頼する営業部長」からの紹介だった

あれは今から約8年前、僕が37歳の頃。 仕事のストレスはありつつも、まだ若さもあり「早く資産を増やして遊びたい」という下心もありました。

そんな時、当時(僕が今と同じ営業部長になる前)の上司である営業部長から、こう声をかけられたのです。

「あなぶ、いい話があるんだけど。大手S社(※仮名)のワンルーム投資、知ってる?」

…正直、断りづらかったです。 信頼する上司からの紹介。 話を聞くだけなら、と喫茶店に向かったのが運の尽きでした。

S社の営業マンが提示した物件は、一見、完璧でした。

  • 会社: 大手不動産会社S社(※実名は控えます)
  • 場所: 駒込駅(山手線・南北線)から徒歩数分
  • ロジック: 「山手線ブランドは鉄板。需要が途切れませんよ」
  • 価格: 約2400万円
  • 殺し文句: 「あなぶ様の信用があれば、頭金ゼロのフルローンで行けます!」

当時の僕は、「上司の紹介」「大手」「山手線」「駅近」というキーワードに完全に思考停止。「これなら失敗しようがない」と信じ込んでしまったのです。

営業マンの「魔法の言葉(=罠)」

そして、ダメ押しの「魔法の言葉」がこれです。

  1. 「サブリース契約なので、空室リスクもゼロですよ(手数料10%前後)」
  2. 「確定申告で『節税』できます」
  3. 「団信が付くので『保険代わり』になります」

「頭金ゼロで資産が持てて、節税・保険にもなって、空室の心配もない?」

僕は、2400万円の契約書にハンコを押しました。 これが、5年続く「赤字垂れ流し生活」の始まりでした。

なぜ赤字? 5年間僕を苦しめた「現実の収支」

駒込の物件です。確かに入居者は途切れませんでした。(サブリースですし・・・) しかし、それでも毎月「赤字」でした。

理由はこうです。

  1. 重すぎる「サブリース手数料(約10%)」 家賃収入から問答無用で引かれます。これがまずデカい。
  2. 家賃収入を超える「3つの支出」 家賃収入(から手数料が引かれた額)では、以下の3つが賄いきれないのです。
    • ローン返済(2400万フルローンなので、返済額もデカい)
    • 管理費・修繕積立金(これは家賃とは別で毎月引かれる)
    • 固定資産税(年に一度、忘れた頃にやってくる)

その結果、僕の通帳からは、毎月コンスタントに「1万円以上」のお金が消えていきました。

「節税」で戻ってくる税金(最初の数年だけ)を加味しても、トータルでは赤字。 「保険代わり」と自分に言い聞かせるには、年間10数万円の掛け金は高すぎました。

決断。「逃げ切る」ための売却と、一つの幸運

5年が経過した頃。 僕は、この投資が「ただ赤字を垂れ流すお荷物」でしかない現実を直視しました。

「このまま持ち続けても、赤字は続くだけだ」 「いつか売却額がローン残債を下回ったら、借金だけが残るぞ…」

幸い、当時はまだ不動産市況が悪くありませんでした。 僕は、購入したS社とは別の不動産屋に査定を依頼し、売却を決意します。

ここで、僕には一つの「幸運」がありました。 ちょうど当時住んでいた自宅マンションも同時に売却するタイミングだったのです。 「2件まとめて売るなら」と交渉し、通常3%かかる仲介手数料を、破格の「1.5%」にしてもらうことができました。

  • 購入額: 2400万円
  • 売却額: 2200万円

数字だけ見れば「200万円の損」です。 しかし、5年間、赤字に耐えながら払い続けたローン返済により、元本が少し減っていました。

売却額2200万円から、ローン残債や「格安にしてもらった仲介手数料」などをすべて差し引いた結果、

手元に「約70万円」のお金が残りました。

これは「儲け」ではなく、ギリギリの「脱出」だ

手元に70万円残ったと聞き、「なんだ、結局損してないじゃん」と思った方もいるかもしれません。 それは、まったく違います。

この70万円は、「儲け(利益)」ではありません。 5年間、僕が「毎月の赤字」とは別に、必死で返済し続けてきた「ローン元本の一部」が、たまたま戻ってきたに過ぎないのです。

5年間で支払った赤字総額(毎月1万円以上×60回+固定資産税)を考えれば、実質的にはトントンか、むしろマイナスです。

もし、不動産市況が少しでも悪かったら? もし、あの時「自宅同時売却」という幸運がなく、仲介手数料が正規(3%)だったら?

僕の手元に70万円は残らず、間違いなく「追い金(=借金)」を払って手放すことになっていました。

僕は、たまたま市況と幸運に恵まれ、「ギリギリで逃げ切れた」のです。

僕の失敗から学んでほしいこと

この5年間の「お荷物」から僕が学んだ教訓は、これです。

  1. 「上司の紹介」でも、投資は自分で判断する(断る勇気)。
  2. 「サブリース」は業者が儲かる仕組み。オーナーの利益は薄い。
  3. 「フルローン」は絶対にダメ。 売却時に市況が少しでも下がれば、即「借金(残債割れ)」が確定する。

この大失敗があったからこそ、僕は「インデックス投資」や「高配当株」といった、手数料が安く、公平で、堅実な投資にたどり着きました。

もし今、営業マンから「節税・保険代わり」と囁かれているあなたがいたら、どうか僕の失敗を思い出してください。

あなぶ

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